人間は1秒間に約3回,眼を動かしながら外界情報を取込んでいます.眼は視覚系の窓.眼の動きから視覚情報処理が分ります.私達は眼球運動の測定を通して,より実際的な場面での視覚情報処理について研究しています.被験者は眼球運動測定用センサーのついたゴーグルをつけ,何らかの作業,例えば自動車の運転を実際に行います.条件や課題が変わると眼の動きも変わります.そこから色々なことが分ります.「注意」がどこに向いているのか,「有効視野」の大きさは,どの様な情報が「保持」されているのかなど.眼の動きはとても敏感ですから,通常の知覚実験では分らないことも調べることができます.新しいマンマシンインターフェースとしても期待されています.